Yuki Hayama

十五歳の時に焼き物の世界に足を踏み入れ、陶磁器制作や絵の修行をしながら、幼少の頃より慣れ親しんだ器と文様の世界に深く入り込んで行きました。
工藝の世界は、奥深く到底全容を掴めるものではありませんが、私なりに努力し成果を得ることが出来ました。
そして、現代社会が失いつつある職人の執念の様なものを大切にして新しい陶磁器の世界を開拓したいと願う様になり、二十三歳の時に起業し、葉山有樹工房を設立し、一心に美の世界を追求して早や三十六年が経過しました。
現代の多様な価値観に比べて、いにしえの工芸品に対する価値観は、単純明瞭で、美は職人の技量と美意識と作品に灑がれた職人の労力によって明確に評価されたのです。

百年、千年を経た優れた工芸品から学んだのは、真の創造は深く伝統に根ざし、真の伝統は過去の繰り返しではなく新たな創造の中にあるという事でした。
季節の花に水を灑いでやる様に、千年の華には心血を灑がねばなりません。
作品の大小を問わず、ひとつ、ひとつに持てる技術のすべてを灑ぎ込み愚直なまでに細部と質にこだわりつづけてまいりました。
私の作品は、かけがえのない人生を生きる現代人と悠久の歴史と遥かな未来をつなぐ陶磁の橋でありたいと、願っています。

これまでの成果の一端をまとめてご高覧に供するとともに自身の道標と致します。

 

2021年 初春 葉山有樹

 

 

2012 年、金沢 21 世紀美術館の「工芸未来派展」で、葉山有樹の磁器に呉須で描かれた大皿を見て、その圧倒的なエネルギーと自然界の生命力に体が震えたのを覚えています。
今回のテーマ " 千年の華 " 葉山有樹の創り出した作品が人々の目に、心に、100 年、1000 年と咲き続けると信じています。