Yoko Semoto: Tempera painting

金地テンペラ画は12世紀から15世紀のイタリア中世キリスト教絵画に多く見られ、その技法は石膏下地の上に金箔を置き、顔料に卵黄など合わせ、絵の具を用いた技法です。

金地テンペラ画は日本美術にも影響を及ぼしたと言われており、狩野派 四代 永徳の時代に隆盛であったと日本絵画史に伝えられている。

テンペラ画に魅せられ、人生の半分以上をテンペラ画を描き続けられたことは、私にとって何よりの宝だと思っています。

 

瀬本 容子

 


 

 

時よ、止まれ

瀬本容子展を 2年ぶりにする事になった。今回は 春、夏、秋、冬、四季の富士山を中心に21点が銀座一穂堂に久しく並ぶ。

若き日 ヨーロッパで魅せられたルネサンス期の装飾絵画を描き続けて画業60年。
自作の本金の額と共に板絵、ガラス絵を えも言われぬ綺麗な色の絵を描いてこられた。
いつの時代の どこの国の人なのか? 豊かで聖性を感じる瀬本容子の絵は 時が止まっているよう。

デジタルやネット、ロボットや AI など 科学や社会がジェットエンジンのような速さで変わっていく中、頑として瀬本容子は変わらない。テンペラ画を描いてそれだけで生きて来た。昭和のはじめ、あの岡山の裕福な少女時代、瀬戸内海に面した玉島の思い出とともに生きて来られた。

「時よ止まれ!」 と 私は思っているのに……。


一穂堂 青野 惠子