「翔ぶ鳥を落とす」なんと勢いのある言葉でしょう。
大空に向かって翔ぶ鳥も それを撃とうとする者 双方 力があります。
翔ぶ鳥は作品、撃つ人はコレクター。この企画の名前はそこから来ました。
銀座一穂堂の2022年の新年は 恒例「翔ぶ鳥展」で始まります。もう7回目となります。
今回は新たなアーティスト5人を加えて 25人の力作が全国から集まりました。楽しいですよ。
ほんの少し前まで、地球が小さく感じるほど飛行機が自由に世界中を飛び交っていました。
目に見えない小さなウイルスによって 世界が混乱し 不自由な生活になっていますが、アーティスト達は 黙々とひたすら造り続けています。
そして こんな時だからこその何かを発見したかも知れません。
彼らの若いエネルギーと才能を感じていただきたいです。
一穂堂は 彼らと輝く未来に向かって大空を飛んで行きます。
みなさまとご一緒いたしましょう。さあ 飛び立ちましょう!
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藤堂
Todo時間の蓄積や場所の固有性が感じられる素材を使って作品を作っています。
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五味謙二
Kenji Gomi「土で作ったモノを焼く」のではなく、「焼くためのモノを土で作る」事を制作の指針としています。
ムニュッ、ペタッとした土の造形をカリッ、カサッと焼く。多様な陶芸の中の私の居場所です。 -
中野 大輔
Daisuke Nakano何故か3点ともに「月」を配しました。
我々の紆余曲折に関係なく、刻はうつろって自然は美しさを見せてくれることが特に有り難く感じる一年だったからかもしれません。
金箔銀箔の余白に、今のお心持ちを重ね合わせるように観て頂ければ嬉しいです。 -
鈴木 祥太
Shota Suzukiいまにも銀の滴がしたたり落ちる様子の野路菊。
古代中国の穆王に仕えた童子が、菊葉の露の霊薬を飲み仙人となり八百余年も不老長寿を生きた【菊慈童】の伝説より着想を得た作品です。 -
竹内 瑠璃
Ruri Takeuchi動物などの成形は手捻りで自分で作り、轆轤成形やタタラ成形は素地師に依頼しています。
形と絵が調和するような絵付を心がけて制作しています。 -
有永 浩太
Kota Arinagaヴェネツィアングラスの伝統的な技法を、日本人の感覚で再構築しようと制作しています。
吹きガラスの一瞬で形作る工程に、糸を撚り合わせ編み上げる編み物の時間を想い、込めることで、二つの対照的な時間の流れを一つの造形の中に留めています。 -
塚田 美登里
Midori Tsukada水の中から湧き上がる生命のはじまりをイメージして制作しました。
Blueの部分のテクスチャーは、この作品の為に試作を重ねました。新しい年を迎えるのにふさわしい、美しい色とみずみずしい表情が表現できたと思います。
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池田 晃将
Terumasa Ikeda遺跡や宗教建築のような、細密の集積が生み出す荘厳さを求めて制作をしています。
尚且つ漆の艶に現代社会を映し出して、 千年先までこの時代の美しさを届けられればと考えています。
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松崎 修
Osamu Matsuzaki木と漆の持つ力強さを表現したい。
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藤澤 秀行
Hideyuki Fujisawa天杢の内に広がる小宇宙は、
いつしか私にとって祈りに近い存在になりました。
曜変に、また一歩、近づく事が出来るよう精進し邁進していきます。 -
澤谷 由子
Yuko Sawaya朝露が草花に降りて形を成すように、
素地に衣を纏わせるようにして模様を立ち上げています。
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竹村 友里
Yuri Takemura金沢に住み十数年。美しい四季や文化を日々肌で感じながら制作をしています。
日記を付けるように土に触り、作品のほとんどはその時の閃きが形になります。
植物や生き物、自然の風景など、生命の記憶を渦巻きや曲線で表現することで、
視覚的にも触覚的にも鑑賞されるものでありたいと願います。 -
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森岡 希世子
Kiyoko Morioka金沢の空は灰色の日が多い
しかしその色の向こうに
ぼんやりと明るい光が透けて見える時
灰色の空が希望の色にかわっていく
そんな空色を、磁器のなめらかな質感と
灰色のグラデーションで表現しました。 -
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鞆岡 隆史
Takashi Tomo-oka植物の色や形の美しさは、その植物が乗り越えてきたものが表れています
そこには物語があり、美しさの理由となります
どんなに小さな物語でも想像しながら植物と向き合い、ありのままの姿を捉えたいと思っています -
坂井 直樹
Naoki Sakai「錆」から感じる日本の美意識をカタチに
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小野川 直樹
Naoki Onogawa折り鶴の「居場所」を作品に。
観るものとの対話を通し、心を揺さぶる「なにか」が生まれることを信じています。
言葉では説明しきれない感覚を、作品を通して表現できれば、 また、通い合うことができれば幸いです。
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平井 健太
Kenta Hirai吉野に移り住んで6年目を迎えます。
吉野杉の持つ可能性をもっと引き出せたらと、日々考えながら製作をしています。 -
古谷 宣幸
Noriyuki Furutani天目は焼成条件によって釉薬が無限に変化します。
薪窯で焼成する事は大きなリスクもありますが、自分の焼成コントロールと自然の力が伴った存在感を生みます。
そして稀に自分の想像を超える茶盌が現われます。 -
星野 友幸
Tomoyuki Hoshino陶、磁、ガラス。
素材ごとの相応しいプロセスを経る中で私の知識と思考が絡め取られ、
さらにそれぞれのピンクに内面を重ね合わせる。
私の含有量が多めに聞こえるかもしれませんが、
お茶は美味しく召し上がって頂けます。 -
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後関 裕士
Hiroshi Goseki薪を割り土を作り成形し窯を焚く。
そんな何かを育てているような工程の中で焼きあがる作品を通して、そのような情景のようなものが伝わればいいなと、そう思います。
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澁澤 星
Sei Shibusawa人の心が羽化する様子を描きたいと思いました。
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寺岡 香織
Kaori Teraoka私は、人の時間や記憶をテーマに表現しています。
「Summer knit」では、単純で抽象的な画面のなかで、
見た人に夏の思い出や記憶を想起させるような作品を目指しました。
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重野 克明
Katsuaki Shigeno私は銅版画を基軸として制作しています。
しかし水墨、陶芸、パステル、水彩などの制作もしています。それはなぜかと言うと版画の中だけでは抑えきれない衝動が込み上げるからです。
そしてまた版画に帰っていきます。
私の版画には他の全ての想い技法、色彩、イメージ、スケール感。それらが全部詰まっています。
出品作「カナリア」は“歌を忘れたカナリアは〜”と言う詩からイメージした腹筋背筋に力を込めて歌う合唱隊の少女をイメージした作品です。
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山中 洋明
Hiroaki Yamanaka時空を超えた中にある、人の手だけでは作り出すことのできない美しさに惹かれます。
そこには形態や構造だけでなく、宗教や思想をも超えた美が宿るのではないかと考えます。
いつかそのような美を表現できるようになりたい。
その思いで彫刻を続けています。