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この度、「葉山有樹展 虹の彼方に」が飯高寺(千葉県飯高檀林跡)にて開催することになりました。
2021年、銀座一穂堂にて個展開催の陶芸家・葉山有樹。彼は肥前陶磁の伝統を背景に超人的な技巧のやきものを制作。
古今東西の人類が育んできた文明から生じた文様や文化を探求し、白磁に呉須で絵を描きます。
会場となる飯高寺は、1874年に閉鎖されるまで294年間我が国の最高学府として、多くの優れた僧侶を輩出してきました。
中心にそびえ建つ大屋根を擁した講堂は、徳川家康の側室、お万の方が寄進、
その後、火災に遭い1651年に再建されました。(国指定の重要文化財)
葉山はこの講堂で大きな挑戦をしようとしています!
作品と共に自然豊かで重厚な飯高寺に触れる機会となります。
是非、ご来場賜りますようよろしくお願いいたします。●オフィシャルサイト
https://yukihayama-exhibition.com
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虹の彼方に 葉山有樹展開催のご挨拶
2022年4月13日(水)より4月30日(土)までの期間、千葉県匝瑳市飯高檀林飯高寺に於て、展覧会を開催させていただきます。
私の生業は陶芸家です。
陶芸と一言で述べても幅広く、私の分野は陶磁器に彩色を施す「色絵磁器」の分野を専門にしています。
今回発表する作品はコバルトを主原料とする呉須と呼ばれる顔料で陶磁器に描き、約1300℃で還元焼成した作品を主体に構成した作品です。
表現の領域は広く、自然界・人類の歴史を基に創造し表現したものです。
今回の表題「虹の彼方に」の意図は、未来に向けた希望を意図した表題です。
飯高寺講堂内で展示する巨大壁画は2018年に佐賀県主催の特別展「幕末維新150年博」で制作したものです。
描いた絵のテーマは「有為転変図」です。
「万物は同じ所で留まらず、常に移り変わるものである」を描いています。
人類文明の発展は私達の生活に利便性を齎すものです。しかし、その背景に自然環境の破壊や問題が生じている事も事実。エントロピーの定義、文明発展の先には無秩序な事が連なり、やがては滅びに至る。一方、自然界も変化していますが秩序ある変化です。
壁画「有為転変図」には人類の無秩序の変化と自然界の秩序ある変化を18mに及ぶ壁画に表現した作品です。
今回の飯高寺での企画展示は、銀座一穂堂主宰の青野恵子氏にご相談したことから始まりました。「歴史ある建造物の中で静かな環境で作品を展示し、その姿を見てみたいと。」
新緑美しい千葉県匝瑳市飯高檀林の杉並の参道の先にひっそりと建つ飯高寺の講堂を一目観た瞬間からこの企画展は始まりました。
私の我儘な発案にご賛同いただいた皆様のお陰でこの企画展は始まります。
静かな自然環境と先人の学びの場であった飯高寺での静かな中で、力強く表現した作品を是非ご降臨賜わりますようご案内申し上げます。
2022年春 葉山有樹
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葉山有樹展 虹の彼方に
小雨まじりの初夏のある日、飯高檀林を初めて訪れた時の感動は今でも忘れられません。
急な石階段を登り総門をくぐると、時間が止まったような静寂の風景が広がっておりました。杉林を進んでいくと経蔵、題目堂の先に鐘楼、鼓楼が建ち、正面に講堂の大屋根が現れます。ここまで数分の時間でしたが数百年の時を超えたような衝撃の日でした。飯高檀林は日蓮宗の学問所として開かれ450年近くこの地にあります。創建後まもなく徳川家の保護を受け、特に家康の側室養珠院「おまんの方」の信仰が厚く、その子の水戸頼房・紀伊頼宜の寄進により現在の規模になってきました。しかし明治になり檀林が廃止されてからは、忘れ去られたかのように地元でもその存在を知らない方も多く、ひっそりと時を刻んできた学びの場です。
ここで希代の陶芸家「葉山有樹展〜虹の彼方に」を開催します。
彼が初めてこの地を訪れた時も感動と共に作品への熱い思いが生まれ、ここでの開催を即決しました。数百年の時を刻んだ飯高檀林と現代の陶芸家葉山有樹の作品が交わった時に、どんな空間が生まれどんな風が吹くのか?
コロナで我々の日常は一変してしまいました。しかし今だからこそ心に響く事もあります。ぜひ多くの皆様にご覧いただき、この静寂の森で「葉山有樹展〜虹の彼方に」をお楽しみいただきたいと思います。
葉山有樹展実行委員会 委員長 椿邦司
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