氏家昂大 陶展 -釉肌-

概要
  • 当展示はアポイント制です。

  電話かメールにて事前予約をお願いいたします。
  03-5159-0599 / tokyo@ippodogallery.com
 (開廊時間:11時〜18時 休廊日:月曜日)

 

  • 作家在廊日についてはお問い合わせください。

 


 

戦争、悲劇の参院選、平和を想うには遠い出来事がニュースで流れています。
何やら不穏な空気を感じる現代の環境から、改めて自身が焼物をする意味を考えた時、そこに答えは見つかりませんでした。
自身の仕事が直接平和に繋がるわけではないかもしれません。
しかし、自身の周りだけでも、少しだけの勇気は湧き出るかもしれない。
そうした各々が最高の仕事に向かうことが良い方向に、大きな連鎖となることを願っています。
人生を精一杯生きるだけです。
この度、銀座一穂堂で2回目の個展を開催いたします。
1回目の20代最後の年の個展から、世界へ発信し続ける一穂堂と歩み、 様々な経験を経て、その一つの集大成となる展覧会になればと思っています。

氏家 昂大

 


 

 釉肌・Skin

 

氏家昂大の作品を初めて見た時 形の自由さ 表面の新しさに ドキッとした。
彼の作り出す形 表情の楽しさ そのセンスに驚いた。

彼は仙台に生まれ、東北大震災を経験している。
また 幼少時から左耳の不自由さもあり 生や死を深く考えて生きて来た。
彼のやきものは 分厚い青磁の釉薬に奔放な皹 赤や緑の漆で彩色された「漆貫入彩」。
表面はまるで生き物の動脈と静脈が這っているようで 生命感がある。
彼の創り出す茶碗や壺は 工芸の域にとどまらず 力強い芸術性を感じる。

やきものは どこの土? どんな釉薬を使うか? どんな形? どのような表現か?で分類されるが、 近年の陶芸家たちのやきものは 表面の表現・釉肌がおもしろい。
動物も植物も何処に住むか 寒暖の地や環境によって 表皮 Skin は大きく変わる。

氏家は今年1月 穏やかな家族の住む東北を離れ、力あるアーティスト達が競う陶芸のメッカ 多治見に移った。
この地で 彼の作品はどのように変わるか?楽しみである。